書店経営者が書いた万引き防止の完全対策―書店・レコード店・その他小売業の万引き防止マニュアル朝日新聞のニュースサイトの漫画万引き、一気に101冊 転売狙い、容疑の男逮捕という記事
逮捕されたのは東京都江戸川区東小松川1丁目、米畑陽一容疑者(23)。小松川署の調べでは、今月3日午後4時20分〜40分ごろ、同区中央2丁目の「TSUTAYA江戸川中央店」でコミック計101冊(販売価格計約6万円)を万引きした疑い。
1冊でも盗もうって気が信じられないけれど、それ以上に101冊も万引きしようとしたってのがすごい。すごいというか、信じられない。というより101冊もやったなら万引きって言い方はやめて窃盗とか言った方がいい気がします。1冊でももちろん窃盗なんだけれども。
それにしても気になるのは101冊(販売価格計約6万円)と書いてあるところ。ニュースの続きにはこう書いてあります。
作品ごとに買い取り価格を記した表を古本店で事前に入手したうえ、TSUTAYAの本売り場で約30分間、高く売れる本を下見。店員や客がいなくなったすきに、縦約50センチ、横約40センチの袋いっぱいに本を詰めて持ち出し、駐車場に積み上げると再び入店し、また万引きしていた。盗んだ人気作品は「名探偵コナン」や「花より男子」などだったという。
コナンとか花より男子って1冊410円なんですよね。だからそういうのばっかり盗んでも実売価格6万円には届かないですよ。410円じゃ100冊だって4万ちょっとだし。あ、でも花より男子は完全版だと1冊1200円だからそれが多いのかもしれませんね。
買い取り表を見ながら盗む漫画を物色したと書いてあるので恐らく人気のある週間少年○○系ばかりだと思うんですよね。だから漫画1冊の値段は大体410円になるので、実売価格が6万円ってのが気になっていたのですが、花より男子が完全版だったということならこの疑問は氷解しますね。
花より男子の完全版は最終巻の20巻が1300円で、それ以外が1200円なので、1〜20巻まで盗んだとして24100円、残りの80冊が410円だとすると32800円、足して56900円なので大体そんな感じなんだと思います。
それにしても私は10月8日に『本の万引きが異常な件』という記事を書いていて、その中で 経済産業省商務情報政策局文化情報関連産業課の出版産業の現状と課題という資料(注意:PDFです)という資料の中の『8.ICタグ導入に向けた出版業界の取組』を取り上げてこんなことを書きました。
見て欲しいのは右下の『参考:書店における万引きの現状』というところ。万引き事例1件あたりの被害平均額が9,433円ですよ。何これ、ほんとに?9.443円(10円未満)の間違いじゃないの〜、なんて思ってPDFファイルをテキスト選択にしてメモ帳に貼り付けてみたけれど、やっぱり9,433円でした。そもそも万引きが発覚した中での平均なんだから本1冊の値段より高いんだから9円って事はありえない。
これが1桁少ない943円とかならまだわからなくもないけれど、9,433円って……。
昔テレビで最近は古本屋(Bookoffなんか)で安易に換金が出来るから本をごっそり、それこそ何十冊も万引きする奴がいるなんてニュースをやっていたけど、私は「そんなの極端な例だろ〜」なんて思っていたのですが、この資料によるとそういったケースはあながち極端な例だとは言えなくなりますね。
こんな風に書いていて、他にも本屋の年間の万引きの被害額平均が212万円というのも書いているんですが、そういった姿って想像がつかなかったんですよね。
でも今回こういう事件があった、ということで、なんとなくですが、見えてきた気がします。
恐らくは8割ぐらいの万引き犯は1冊や2冊しか盗まないんでしょうが、残りの2割が異様に盗んでいるんじゃないでしょうか。パレートの法則で考えて、2割の万引き犯が被害総額の8割を成していると考えると納得がいきます。
そして、最大に興味深いというか、問題だと思うのが、営業時間中に100冊以上盗まれたのに、店の人間は誰も気付かなかった、というところ。
この被害にあった店はTSUTAYAなんですよ。数十店しかTSUTAYAには行った事はありませんが、私の主観で言えば普通の書店に比べて、TSUTAYAは店員の数が全体的に多めに見えるんですよね。それなのに誰も気付かなかった。
本を100冊盗むのって時間がかかると思うんですよ。同じ巻を複数持って行ったら怪しまれるだろうから1冊ずつしか盗まないと思うんですよね。100種類の漫画を1冊ずつ取るというのは結構な時間がかかりますよ。しかもこの犯人袋が一杯になったから一回置きにいって、また戻ってきて盗んでる。どんなに短かったとしても5〜10分はかかったと思います。
それなのに気付かなかった。店員が結構多いTSUTAYAで気付かれないならもっと店員の数が少ない普通の本屋ならなおさら気付かないんじゃないかと思います。
私のよく行く神保町の三省堂は広大なフロアに5〜6人しかいませんからね。そのうち3人はレジにいるので残りの3人がフロアにいるということになりますが、どれだけカバーしきれているのやら……。
というわけで今回の万引き犯のニュースで本屋が予想以上にとんでもない目にあっていることと、万引きの気付かれにくさがわかった気がします。本屋の人はきっと頭を悩ませている問題で大変だと思いますが、頑張ってください……。
もっと万引きがしにくくなるような技術が開発されればいいんですけどね。ゲームとかみたいに展示してあるのは見本品でカードを持っていくと本物と変えてくれるとか。ただ本屋は本が積まれているのがいいのであって、それがなくなってしまうと面白くないってのがあるんで、難しいところですね。
漫画コミックス等の大量万引きはまだあるようですね。

知っているかもしれないでども、これってキホン窃盗には当たらないんだよね。
勿論、店側はそういう輩を排除できるけども、罪にはならないって言う状況なんだな。オレとしては将来的にはこっちの方が目に見え辛い分、更に問題になるんじゃないかと危惧しているんだけどもね。