フランス7つの謎 (文春新書)


 私のブログの中でもフランスの漫画の高さは異常というエントリの中で、
 日本の漫画好きの私としては会ったことも行ったこともないフランスの人たちにこれだけで好感をもってしまいますよ。というか私はこういったイベント(同人的なものもそれ以外も)行った事がない(同人ゲームは買ってるけど)ので、私よりもよっぽどすごい漫画好きがたくさんいるんでしょうね。

 という事を書いたのですが、フランス人の漫画好きはホントに想像以上にすごいっぽい。
 朝日新聞のニュースサイトのフランス人「日本熱」 来日者数10年で倍 漫画で関心という記事にはこんなことが書かれています。
 日本の漫画やアニメが根強い人気を持つフランスから、日本にやってくる人が増えている。「漫画を原文で読みたい」と日本語を学ぶ留学生、アニメゆかりの場所を巡るフランス人向けツアー。漫画を入り口に、日本文化に関心をもつ若者も少なくない。

 漫画を読むために日本語を勉強する、というのならわからなくもないんですよ。私も英語の原書を読みたいから英語を勉強していたりもするので。
 でも、漫画を原文で読みたいから、といって日本に留学にきてしまう、というのはホントにすごい。家で日本語の勉強をしているのであれば趣味レベルだし、大学で日本語の勉強をしている、というのも私も大学の時にそうでしたが、第二外国語を何かしら履修しなきゃならないから、「それなら漫画が好きだから日本語にしよう」、という選択をすることは結構あるんじゃないかな、と思います。私もドイツ語を履修していましたし。まぁフランスの大学で第二外国語とか履修しなきゃならないのかどうかは知りませんが。

 でも留学する、となると全然話が別ですからね。大学の授業であればせいぜい一週間に1回、1時間くらい勉強すればいいだけだから、途中で飽きてもどうにでもなるけれど、留学だとそうはいきませんし、ある意味で人生に関わってくる選択ですよ。
 フランス人の日本の大学などへの留学生は、06年で417人(文部科学省調べ)にとどまるが、「予備軍」は急増中だ。フランスでの日本語学習者は、06年には1万5534人(国際交流基金調べ)と84〜85年の約5倍。ヨーロッパ諸国では最も多い。近藤安月子(あつこ)・東大教授らが日本語を学ぶ動機などを尋ねた05年の調査では、「漫画・アニメ」が最多の30%で、専攻学生の8割が留学を希望していた。

 日本語学習者が1万5534人で、そのうちの30%が漫画やアニメのために学んでいるというんだから、実に5000人近くが漫画やアニメのために日本語を学んでいて、そのうちの大多数が日本に来たい、留学したいと思っているわけですよ。そう考えるとホントにすごい。
 だって漫画を描いている側としてはそこまで考えていないだろうけれど、意図せずして5000人ぐらいのフランス人に対して、人生に影響を与えているわけですからね。
 漫画は旅行者数にも影響しているようだ。06年のフランス人の来日者数はここ10年でほぼ倍増の12万1310人。フランス人向けに、秋葉原や宮崎駿監督が館主を務める「三鷹の森ジブリ美術館」、コスプレイベントなどを巡るツアーを企画する会社も登場した。

 旅行会社がそういったツアーを企画するということは、確実にそういった需要があるというわけで、フランス人の日本の漫画やアニメへの関心がホントに高そうなことがうかがえます。

 実際漫画がどれくらいフランスで受け入れられているのかと思ってフランス版のAmazonを見てみました。
 とりあえず本のランキングに日本の漫画があるかどうか調べてみたのですが、100位以内にはナルトとDeath Noteの2つがランクインしていました。

ranking_france_naruto

ranking_france_death_note


 すごいのかすごくないのかあんまりよくわかりませんでした……。
 ただ、これが、ギフト用のランキング(何でそんなカテゴリがあるかは不明)だと100位以内に7作品ほどランクインしています。この中にベルセルク(リンク先は日本の32巻)が入っていたのは驚きです。この漫画の面白さがわかるフランス人がいるとは、いい友達になれそうです。

 ついでに1000位までにどれくらい入っているかを調べたのですが、1000位までに漫画は37冊ランクインしていました。全部の中の3.7%が漫画ということで、むちゃくちゃ流行っているとはこのデータから読み取れないものの、普通に一般に受け入れられている感じがします。
 それにしてもナルトの人気っぷりは異常です。1000位までの37冊のうち、半分ぐらいがナルトですからね。他にもSAMURAI DEEPER KYO(リンク先は日本の31巻)が入っていたりするので、古い日本文化みたいなものに興味がある人が結構いるのかもしれません。
 少女漫画ではフルーツバスケット(リンク先は日本の23巻)や、NANA(リンク先は日本の18巻)なんかが入っていました。きっとアニメの影響でしょうね。フルーツバスケットのアニメ、フランスでもやってるのか……。
 意外なところで言えば、谷口ジローの神々の山嶺(リンク先は日本の1巻)や、遥かな町へ(リンク先は日本の上巻)が入っているというのが意外です。どういった経緯で人気になったんだろうか……。

 フランス人が漫画やアニメのために日本に留学に来ると言うのは、日本人が絵のためにフランスに留学に行ったり、音楽のためにヨーロッパの方に留学に行ったりするのと似ている気がします。
 そう考えると(日本の国内はさておいて)漫画やアニメというのは、芸術の1つと認識されているのかなぁ、なんて事を思いました。そう考えていてくれている人がいれば、1漫画好きとしてはホントに嬉しいことです。

 ふと思ったのだけれど、日本でもスラムダンクが好きでバスケットを始めて今もバスケットの世界で生きている人や、ヒカルの碁に影響されて碁の人口が一気に増えたりしたことがあるので、漫画が人の人生に対して影響を与えるのは世界共通なのかも知れませんね。

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