アニメビジネスがわかる


 前々から思っていたのだけれど、もうそろそろアニメはテレビで放映しないでネット配信だけにすればいいんじゃないかと思います。

 実現可能かどうかとか、費用的にどうなのかは具体的な数字を知らないのでわかりませんが、テレビからネットに切り替えることによるメリットはたくさんあると思います。

 まず、何でそんなことを言うのかというと、今日のニュースでこんなものがあったからです。
 「午前0時以降はテレビの深夜放送を自粛したらどうか」。4日の自民党総務会で、環境対策を話し合ったところこんな案が飛び出した。(テレビの深夜放送自粛しては? 自民、環境対策で検討へ - 朝日)

 自民党が4日開いた総務会で、地球環境問題や原油高騰を理由に深夜のテレビ放送の自粛を促す意見が相次いだ。(<深夜テレビ>温暖化対策で自粛促す意見相次ぐ 自民党 - Yahoo!)


 これを受けてGIGAZINEさんなんかはこんな内容の記事を書いています。
「エルフを狩るモノたち」や「剣風伝奇ベルセルク」「頭文字D」など、これまで一般的にアニメが放映されていた夕方では放映できないような作品を皮切りに、1990年代後半から広く普及した「深夜アニメ」ですが、もしかするとこれから先、枠自体が無くなってしまうかもしれないようです。(深夜アニメが無くなってしまうかもしれません - GIGAZINE)


 私個人としては、多分そんなこと(深夜テレビ自粛)にはならないとは思います。
 それは、この発言が日本人はみんな自分たち(政治家)が働いている時間に働いていると思っている発言だからです。
 深夜アニメうんぬんは別として、今はいろんな時間に働いている人がたくさんいるってのに、深夜しかテレビが見れない人のことを全く考えていない。
 だから反対の声が大きくなって、実行には移されないのではないかと考えています。

 だから、深夜アニメがすぐにでも無くなるとは思っていないのですが、もう深夜にテレビでアニメを放映する必要はないんじゃないか、というか、深夜にアニメを放送しなくてもネットで配信するようなビジネスモデルにすればいいんじゃないか、と思います。

 一応メリットとデメリットを考えてみたので、それを説明します。
 まずデメリットですが

・不特定多数に見せることが難しい
・圧倒的に市場が少ない
・スポンサーが付きにくい

・不特定多数に見せることが難しい
 全部似たようなものなのだけれど、ネットというのは基本的には自分でURLを打ち込むなり、お気に入りからクリックするなり、検索サイトで検索するなり、何かしら自分からアクションを起こす必要があります。
 つまり、見てもらう側からすると、アニメのサイトであれば、アニメに興味がある人しか基本的にはきてくれないことになります。

 これがテレビであれば、アニメをやっている時間にたまたまテレビさえつければ、その人に見せることができるので、確率が低いとはいえ、新たにアニメファンを作ることができるかもしれません。

・圧倒的に市場が少ない
 昔、ニコニコ動画を改めてすごいと思ったという記事で、ざっくりと深夜アニメの視聴率から計算したアニメを視聴している世帯数と、ニコニコ動画の人気動画の人数で数の比較をしたことがあるのですが、テレビの場合は視聴率0.5%でも23万5千世帯が見ていることになります。
 それに対して、ニコニコ動画やYoutubeなどに(不正に)アップされているアニメの視聴数は多くても20万人ぐらいです。
 これだけだとあまり数字としては変わらないように見えますが、動画共有サイトの場合は、同じ人が何回も見ている可能性が高いので、ユニークな数はもっと低くなると思います。パレートの法則(2:8の法則)で言えば、全体の8割は2割の人からのアクセスと考えられるので、大分少なくなります。

 そう考えるとネットで見ている人より、テレビ経由で見ている人の方が圧倒的に多い、ということになります。
 ただ、まぁこの辺はネットだけになった場合に流れ込んでくる可能性はあります。

・スポンサーが付きにくい
 これは感覚的なものなので、何となくなのですが、テレビだからお金を出す、って人が現れるわけで、これがネットだけ、となった場合にどれだけお金を出してくれる人が集まるかはわかりません。


 ここまでがデメリットで、次がメリットです。

・必要なお金が少なくて済む
・低画質
・古い作品でも注目されやすくなる

・必要なお金が少なくて済む
 本当かどうかは知りません(その業界に関わっていないので)が、深夜アニメを作る場合、そのアニメを放送する枠(つまり電波料)をテレビ局側に支払う必要がある、だとか、お金の流れの中で間に広告代理店が入ってたくさん持って行かれちゃう、なんて話を聞きますが、この方法であればそういった中間搾取が(おそらく)なくなります。
 だから、最初に用意するお金は少なくて済むことになります。

 最初にかけるお金が少なくて済むと何がいいのかというと、回収するお金も少なくて済む、ということになります。
 だから今のアニメと同じで、DVDを売って利益を出すというビジネスモデルであれば、売れなければならない枚数は少なくて済むことになります。
 インフラなんかも、既存のYoutubeやらニコニコ動画やらを使えば抑えることもできるでしょうし。なんならコンテンツに飢えてるNGNでやってもいいんじゃないかと。NTTなんかは飛びついてくるかもしれませんよ。

・低画質
 ネットで見られるアニメは低画質だという認識があります。回線の問題なんかもあるのだろうけど、ニコニコ動画なんかは600kbpsで、DVDなんかは3000kbpsと言われているので、ネットで配信するなら低画質で済みます。

 これ、何がいいかっていうと、DVDが売れやすくなるんじゃないかな、なんて思います。
 今のように地デジや、BSで放送しているアニメはDVDなんかより全然高画質です。BS-iで放映されているCLANNADなんかは30分で容量が4ギガを超えてますからね。
 だから、「テレビではただで見れるのに、それより低画質のDVDを金を出して買わないとならないんだ」なんて声がたまに出るわけで、ネット配信しかしなければ、確実にDVDより低画質ですから、高画質のものが見たい、という理由でDVDが売れるようになる可能性があります。

・古い作品でも注目されやすくなる
 テレビで放映している場合は、以前(例えば1年前)に放映されていたアニメを見るためには、再放送がされるか、DVDを買うか、レンタルするかしかありません。
 ですが、ネット配信という方法に切り替えれば、1年前のものだろうと2年前のものだろうと、1クリックで見ることができます。
 面白いかどうかわからないアニメにレンタル代、もしくはDVD代を払って見る人はよっぽどじゃないといませんが、ネットで無料に視聴することが出来るのであれば、そこからその作品のファンとなって、DVDやグッズや、原作(あれば)なんかを買うこともあると思います。


 そういったことから考えて、もうテレビ放送はやめて、ネット配信だけでもいいんじゃないかと。

 ちょうどうまいタイミングにうまいニュースがあって、こんなニュースがあります。
 アニメの企画・制作などを手掛けるGDH(東京都新宿区)は、動画共有サイト「You Tube日本版」向けに運営する公式チャンネル「GONZO DOGA」内に専用の独自番組「ごんちゅーぶ」の配信を開始した。(独自アニメ番組配信 GDHがユーチューブに - MSN産経ニュース)

 アニメの制作会社が、Youtube向けに独自の番組を配信するというニュースです。
 具体的にどんな感じかというと、
 ごんちゅーぶは、GDHグループが手掛けるアニメ作品の新作情報をはじめ、GDHグループの最新グッズなどを紹介する番組。番組は人気声優の「ナナカナ」こと、井ノ上奈々さんと酒井香奈子さんを司会に起用した。無料で視聴できる。

 また、単なる商品の紹介だけでなく、作品を手掛けたスタッフや声優などのインタビューや対談などを織り交ぜながら紹介し、アニメファンのハートを掴む考えだ。

 動画によるコンテンツと作品や関連グッズを同時に紹介することで、アニメや関連グッズの販売増加や新規視聴者を開拓する。番組は約10分間で、毎週金曜日に更新される。

 つまりはテレビでやってるアニメの宣伝と、そのグッズなどを紹介するいわゆる販促番組です。

 これがうまくいくようであれば(つまりこの動画を配信することでDVDやグッズの売り上げが上がるのであれば)、もう販促番組だけじゃなくて、動画自体も配信してしまえばいいんじゃないか、って気がします。


 とまぁ、多分いろいろ突っ込みどころやおかしいところがあるとは思うのだけれど、思ってることを書いてみました。
 政治家が深夜テレビはいらん、って言ってるってことは深夜アニメはいらない、と言っているのと同じことなわけで、それでいて日本の漫画、アニメは世界一って言ってるってどれだけ二枚舌なんだとも思わなくもないですが、テレビ放映だけに依存するってのも危ないんじゃないかな、とも思います。

 きっと無料ネット配信+DVD販売で儲ける、という手法は最初は全然儲からないような気がするけれど、それでももしどこかがやるようであれば応援したいと思います。
 応援するって言ってもDVDやグッズを買うとか、その会社の株を買うとかしか出来ないですが・・・・・・。