もえのレシピ前に「これはいいレシピ集」というエントリをあげましたが、実際に買って、そして読んでみたらわかったのですが、これはレシピ集ではありません。いや、あんまり悪い意味ではなく。
レシピ集と言う皮をかぶったイラスト集だったんだーーッ!!(な、なんだっ(ry
レシピ集、というかレシピの本に一番大切なものは何かというと、これは個人的な想いですが、最低限完成物の写真が載ってることだと思うんですよ。
できれば製作途中の状態の写真も載っていたほうがいい。
そうでないとまずどうなったら完成なのかわからないですからね……。
文章でもいいような気がすると思うのですが、こと料理に関しては文章の説明ってあんまり意味がないんですよね。参考にはなるけれど、それを厳密に守ってしまうといけないというか。
料理する環境ってのは家によってそれぞれだし、強火、弱火と言ってもコンロによっても違うし、キャベツ100gといっても芯の多い部分かそうでないかで火の通り具合から何から違うわけですよ。
「タマネギが飴色になるまで炒める」って書いてあっても人それぞれですしね。
だから完成イメージというのがとても大切なわけです。
でも、このもえのレシピは、料理本にあるまじきことにその完成図が載ってないんですよ!!
あ、いや完成図らしきもの(?)はあるんでした。完成したものの写真が載ってないんです。
これはレシピ集としてはちょっと駄目なんじゃないかと突っ込まざるをえません。
料理を作った事がない一人暮らしのオタクの男性をターゲットにすえてるのに、完成図が無いなんて、船を運転したことの無い人に海図とコンパスだけ渡して「アメリカへの行きかた」をレクチャーしているようなもんですよ。
じゃあこの本は駄目なのか、と言うと、とんでもない!全くそんなことはありません。
レシピ本としてはちょっとどうかな、というレベルですが、ネタ本、そしてイラスト本としては超一級品です。
特にイラスト本としてはかなりいい出来なんじゃないかなぁ、と。
この本は上でも書きましたが、料理の完成写真が載ってません。
じゃあレシピだけがつらつらと書き綴られているのかというと、そんなことなくて、本来なら写真が載るべきところにはイラストが載せられているのです!!
大体1つの料理がレシピ(文章)部分が1ページ、イラストが1ページの見開き2ページで構成されています。こんな感じ。
これは、コーンポタージュのレシピですが、左側のレシピに対して右側の絵に注目してください。
そうです!きちんとその料理に関する絵になってるんですよ!!
いや、当たり前とか言うな。いやいや、当たり前と言えば当たり前なんですが、これだけの数のイラストレーターが、料理、食材に関する絵を描いて収録されているイラスト集が今まであっただろうか!いやない!(反語)
そう考えるとこれは、とんでもないレアなイラスト本なのであります。空前絶後。
イラストはこんな感じですよ。デジカメで撮ったやつなので微妙ですが。
こんなのとか
こんなのとか
こんなの!
全ての料理について、それに関係するイラストがついてます。
私のやつは、デジカメ写真ですが、毎日jpのこのニュースのページからイラストを綺麗なもので見ることができます。
巻末にはきっちりとイラストを描いた人の紹介と、WebサイトのURLも載っているので、気に入ったイラストがあったらそれを描いた人のサイトにもすぐアクセスすることができます。
そして、この本はネタ本としてもかなり面白い部類に入るんじゃないかと思います。
最初のレシピがまずすごい。「おいしいごはん」ですからね。
内容はご飯を炊くだけ。お米を研いで、水を入れて、炊飯ジャーのスイッチを、入れる、それだけ。
いやいや、それくらい誰だってできるだろー、とか突っ込みをいれずにはいられないのだけれど、最近は無洗米とかを使っている人も結構いるから、知らない人も多いのかなぁ。
都市伝説かもしれませんが、洗剤で洗うような人もいると聞くから大丈夫だと思うけど念のため、ということで載せているのかもしれませんね。
次に載ってる2つ目のレシピは「おみそ汁」なのですが、こっちは結構凝ってる事が書いてありますからね。
鍋に水張って出汁の素を入れて、もやしなんかの特に何もしなくてもいい具を入れて湯だったら火を止めて味噌を入れてまた火をつけて沸騰する寸前で火を止めて出来上がり、といった簡単なものではなくて、乾燥わかめの戻し方なんかも教えてくれています。
それにしてもネタなのか真面目なのか突っ込みづらいのが「コンソメスープ」のレシピ。
書いてある内容が水を張ってコンソメの素を入れて塩コショウするだけですからね……。
ちょっ、それ、栄養ないからーーッ!!と突っ込みたくてしょうがないのですが、本来のコンソメスープという意味であれば、このスープで合ってるんですよね。
個人的にはくず野菜(ちょこっとだけ残ってるのとか、ちょとしなしなになってきてるやつとか)と一緒に入れるとお手軽にコンソメ野菜スープが出来上がるのでオススメです。色んな野菜を入れるといい味になるし、栄養も十分とれるし。
そして実は、上ではあんなことを書きましたが、料理本としても、結構役に立つんですよね、これ。完成写真が無いのは痛いですが。
まず料理の順番が基本、初級、中級、上級、いんぽっしぶるというように分かれているのですが、肉じゃがが初級にカテゴライズされてる辺りが「わかってるなぁ」という気がしますね。
個人的には肉じゃがは「難しそうに見えるけど実は作るの簡単料理」の代表格だと思っているので、初級に来るのは妥当だと思います。
カレー(日本的なカレー)を作るのとほとんど変わらないですしね。
野菜切って鍋で炒めて水入れて茹でて、あくを取ってしょうゆ酒みりん(砂糖)を入れて落し蓋をして煮るだけです。
その割に出来上がりがなんかすごいものを作ったかのような感動があるので、料理に自身が付くのではないでしょうか。
チャーハンもきっちり最初に玉子とご飯を混ぜておく簡単な作り方の方だし、料理の難易度についてはきっちりと本格的になっているかなと思います。
そして、各料理にそれぞれコラムというか一口メモみたいなものがついているのですが、これがまた役に立つわけですよ。
上では最初のレシピがご飯を炊くだけのことを挙げて、「こんなの誰でもできるだろ」とか言いましたが、一口メモのところに
「10秒以内にお水を捨てるっておっしゃっていますけど、そんなにうまくできないですよ。このあいだ、あわてて水を捨てたら、お米も一緒に捨ててしまいました……」
「そんなときは「ザル」をつかおー!
水を入れてかき混ぜたらざるにどじゃー!ってすればOK!
もたもたしてるとお米がヌカ臭くなっちゃうから手早くいこーね!」
こういう感じで中々役に立つメモが書いてあったりします。
ザルを使うと楽だという事は知っている人は多いと思いますが、何でお米は手早く研がないといけないのかって事は知らない人が多いかと思います。
他にも「海腹川背」の意味を教えてくれたり、サンドイッチにバターを塗るのは何でかを教えてくれたり、毎日自炊している私にも、知らないことがたくさん書いてあって面白いです。
それぞれの章(初級とか中級とか)末にはコラムが書いてあって、この辺も役に立ちます。
そして、忘れてはいけないのはいんぽっしぶる編の料理です。北京ダック、クマ鍋、鮟鱇鍋、そしてウェディングケーキ。
この本は料理だけじゃなくて生き方まで教えてくれる人生の教則本だったんだよ!!!
ええ、もちろん嘘ですが。
そんなわけで、この本は完成した料理の写真が載っていないのは残念なものの、本当に簡単な料理から、(不可能なものはおいといて)ちょっと作るのは大変な料理まで書いてあって、基本から作り始めれば全部作る頃にはかなり腕が上達するのではないでしょうか。
個人的には、この本だけではなく、料理の完成写真が載ってる料理本も一緒に買って、両方を見ながら作るのがオススメです。やっぱり写真がないとわかりづらいところもあるので。
ただ、レシピ本って料理をしながら見るものなので、結構汚れるんですよね。イラスト本だと考えると汚したくないものなので、料理を作る前に紙に転記するか、コピーをとってそっちを参考にした方がいいかも。


