びんちょうタンは弐巻までは主にびんちょうタンに泣かされてきたと思うんですよ。
 特に弐巻最後の話なんてもう、漫画にしては珍しいぐらい大泣きをしましたよ。私は。

 そんなびんちょうタンですが、参巻はびんちょうタンももちろんいいのですが、クヌギたんですよ、クヌギたん。
 クヌギたんのけなげさに全俺が泣いた。って表現がちょっと古いか。

 でもそれくらいよかったですよ、クヌギたん。こんなにいい子なのに友達がいないとか、もうね……。

 弐巻で、クヌギたんの乗った馬車がびんちょうタンに水溜りの水をはねてしまって服を汚してしまったため、クヌギたんはびんちょうタンにお金を渡そうとするのですが、びんちょうタンに「いらない」といわれてしまいます。

 参巻の最初のお話はそれの続きのお話です。
 くぬぎタンは自分が服を汚してしまった時に新しい洋服を買ってもらって嬉しかったので、びんちょうタンに「いらない」と言われたことにショックを受けてると共に、そういう風にいうびんちょうタンの気持ちがわかりません。

 でも
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 「うん… 私わかったわ
  今ごろ気がついたの どこにも売っていなかったんだわ」

 駄目にしちゃったら新しいものを買えばいい、そう思っていた時期がくぬぎタンにはありました……。

 でも、お金には変えられないものがあることに、クヌギたんはお母さんから手作りの手袋をプレゼントされてわかるわけですよ。
 もう泣いたね、泣きましたよ。泣かざるをえなかった。

 くぬぎタンは過保護に育てられすぎててきっと普通の人が普通に学んでいくことを学ぶ機会が今までなかったんですよね。
 だからはたから見たら当たり前の事がわからなかったりしてしまう。自分の恵まれている暮らしがある意味普通の生活なんだと思ってしまいます。

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 クヌギたんはびんちょうタンが学校で掃除なんかの仕事をしているのを知って、自分も家の掃除を手伝うわけですよ。
 そこで与えられたのは調度品にはたきをかけるお手伝い。パタパタとはたきをふるとじいが「よくできました」と言ってくれるわけです。

 だから自分にも掃除ができると思って、びんちょうタンが学校のお仕事をお休みした時に「私が代わりにやります」と言うわけですね。
 家で出来たからお手伝いできる、そう思うわけです。

 そして与えられたのが廊下の雑巾がけ。学校の広い廊下を一人で雑巾がけをしてと言われてクヌギたんは途方に暮れてしまいます。

 もうここでも泣きましたよ。
 なんていうんでしょうね、自分にもできる、と思って芽生えてきた自信を残酷にも刈り取ってしまうような現実。
 家で少しはたきをかけていたぐらいじゃ、学校の広い廊下を一人で雑巾がけすることなど到底無理な話です。

 結局大して何もできずに家に帰る事になり、クヌギたんは涙を流すわけですよ。そこでじい登場。「あせることはない」とクヌギたんを励まします。
 じいいい奴過ぎる。これぞじいの鏡ですな。

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 くぬぎタンのお母さんが作ってくれた手袋は柄がちょっといびつです。それを落としてしまい、見つけた生徒は「変な模様」「米粒みたい」と言います。
 先生がこの手袋を落としたのは誰ですが?とみんなに問いかけてもクヌギたんは自分のものだと言い出せないわけですよ。

 それが、この回でクヌギたんとびんちょうタン(あとちくタン)が出会って、クヌギたんからもらった手袋のお礼をするわけです。そして、びんちょうタンとちくタンはこの手袋の柄を桜だと気付いてくれるわけです。「秋なのに春みたいに暖かいね」と言ってくれるわけですよ。

 そこでこのコマですよ。
 クヌギたんはきちんとその手袋はお母さんが作ってくれたものだと自身を持っていう事ができるようになるわけですよ。
 もう泣いた。また泣いた。

 こういう事って結構あると思うんですよね。
 私も小学生の頃、母親が作ってくれたもの(何かは忘れた)をむしょうに恥ずかしがって「こんなのみんなの前じゃ使えない」というような事を言ってしまった思い出があります。
 その時の母親の顔は覚えてないけれど、絶対悲しかったよなぁ……。お母さん、ごめんなさい。

 そして最後にこの参巻の中で一番好きなコマです。

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 弐巻であった出来事の回想のコマですが、このコマ、ホントにいいなあ。
 これがこの2人が友達になる最初のきっかけだった、みたいな感じですよ。お互いに友達が出来てよかったね、なんて事を思ってしまいます。

 びんちょうタン参巻は、弐巻のように号泣するようなところは(個人的には)ないのですが、グスッっとくるところがもうかなりあって、最初から最後まで涙ぐみながら読みました。
 早く幸せなびんちょうタンとクヌギたんの様子が見られるような話が見たいです。