ものすごい今更感のある話ですが、この辺に合わせて。

電車の中でマンガを読んでいるのは別の意味でみっともないと思ってしまう
面白いマンガがあったらぜひ教えてほしい

 どういう話か勝手に私が要約すると、前者が「電車の中で漫画を読んでいる人が減った、それに自分も読まなくなった。それは漫画がつまらなくなったからだ」という話で、後者が「私は漫画が好きだが漫画がつまらなくなったので読まなくなった、もし面白い漫画があれば教えて欲しい」という話。多分。

 で、私個人としてはこういう話を見るともうめちゃくちゃ嬉しくてしょうがないです。
 だってこうやって人が「つまらない」と言っているものを自分は楽しめるわけですよ。嬉しくて仕方がないじゃないですか。大多数の人がつまらない、って言う物を自分が「面白い」と思えるのってすごい幸せなことだと思います。
 ゲームとかだってそうじゃないですか。アーケードゲームの北斗の拳なんて、そりゃもう酷いゲームバランスですよ。神がかり的に酷い。でもそれを楽しめる人ってのはごく少数ながらいるわけです。その人たちはきっと「何でこんなに楽しいのにみんなは『クソゲー』と言うのだろうか」と思っているでしょう。
 そう言うのって、ある意味素養って部分があると思うんですよ。才能って呼び変えてもいいかもしれない。ただ、別に特別な能力でも何でもなくて、どんな人でもなんらかのジャンルでそんな物を持っているのだと思います。とにかく、大多数の人が取るに足りない、と思う物から何かを見つけることが出来る、というのは喜ぶことであれ、決して怒るところではないのです。

 だから、「漫画がつまらない」という言葉を聞くたびに「漫画はずっと面白くなり続けている」と思っている私は嬉しくてしょうがないのです。
 買う側の立場から言うと、私は別に漫画が売れなくても困らないんですよ。売れてくれないと続刊が出なくて困る、というのはありますが別にメジャーになって欲しいわけでもない、と思ってます。そんな気持ちありません?
 「こんなに面白いのにまだほとんど誰も知らないなんて……」と言う漫画に出会うと嬉しくてしょうがない。全くの私見だけれど、「デトロイト・メタル・シティ」の面白さを伝えた人も、単に自分が面白いと思ったから感想を書いただけで、別に大多数の人に売れて欲しいと思ってなかったんじゃないかな。


 あとは2個目の方のエントリでブックマークコメントなんかで面白い漫画を教えている人がいるのだけれど、そういう人は本当にすごい。私にはそう言う事をする気持ちが欠片もない。
 漫画好きな人が「最近読んだ中で面白い漫画ない?」と言うのなら面白い漫画をいくらでも教えて、引くぐらい教えてしまうけれど、「漫画がつまらない」と思っている人に何か面白いと思っている漫画を教える気持ちは全くわいてこない。

 と言うのも、この場合の聞き方は「面白いマンガがあったらぜひ教えてほしい」と言ってはいるものの実際の所言ってるのは「『私が』面白いという漫画が存在することを証明しろ」みたいな内容で「これから起こる惨劇を人間が犯人だと証明しろ!」と言ってるのと限りなく近い。出来なかったら俺の勝ち的な意味で。
 そんな物に対して頭を使うのは「うみねこのなく頃に」だけで十分です。万の言葉を用いて「この漫画のここが面白い」と伝えても、一の言葉で「俺はつまらないと思う」と返されたらおしまいですからね……、分の悪い勝負はしない方がいいものです。

 そもそも、「つまらない」という先入観を持っている人に「面白い」と思わせるのは至難の業です。だからそう言う人に対して実際に漫画を紹介しているのを見ると、本当にすごいなと思わずにはいられません。

 ただ、別に教えなくてもいいのでは、とも思うんですよ。個人的には。そういうのは他の漫画好きのためにとっておけばよくて、漫画はつまらんと言っている人にわざわざ伝える必要はないんじゃなかろうか。
 これは「まず、ルールを破れ」という本の考え方に近いのですが、有望な人、つまりもっともっと漫画が好きになってしまう人にこそそういった面白い漫画を伝えるべきで、教えても「つまらない」と言いそうな人にわざわざ教えるのも時間の無駄なんじゃなかろうか。

 この人は別に漫画が面白くないと思っているのだから自分が面白いと思うことをすればいいだけで、私たち漫画好きは、やっぱり勝手に、面白い漫画で盛り上がればいいんじゃないか、そう思ってたりします。